カプサイシンとは?その作用と期待できる効果。注意点も。
カプサイシンとは、唐辛子などに含まれている有機化合物の一種で、辛味をもたらす成分のことをいいます。酸素と水素、そして炭素からなり、カプサイシノイドと呼ばれることもあります。
カプサイシンは、気体になりにくいという特徴があるため、調理したあとも、しっかりと形が残り辛さをもたらします。
辛い料理に利用されることが多いのですが、唐辛子などの赤いものは見たらすぐにわかりますよね。あれは、唐辛子が加熱しても、小さく砕いてもなくなることがなく、辛さを減らすこともないということ証明しています。
また、気体にならないだけではなく、水に溶けることもありませんが、酢やアルコール、油などには比較的溶けやすいため唐辛子を漬け込んだお酒や油は、透明なものを少なくありません。
唐辛子が入っているということを視覚的にもわかるようにするために、残したままのものもあります。
カプサイシンに期待できる効果
カプサイシンは、摂取することで脂肪を燃焼させる効果が期待できます。
これは、カプサイシンを摂取したことにより、アドレナリンなどのホルモンの分泌を促し、リパーゼが活性化したり、酵素が活性化されて脂肪の分解を助ける働きをすることによります。
また、血行を促進する効果も期待でき、エネルギーの代謝が促進されることで、肩こりやむくみ、冷えなど、体を温める作用もあります。
その他にも、疲労回復や食欲増進、殺菌などにも効果もあるとして期待されていて、辛いものは苦手だけど、ほんのちょっと食べただけで、減退ぎみだった食欲が回復したという方はたくさんいます。
辛いものを食べると汗が出ますので、汗だくになって辛いものを食べ続けている人も見る機会も少なくありませんが、ものすごく脂肪が燃焼しているようなイメージがありますよね。
カプサイシンが含まれている食べ物
カプサイシンは、主に唐辛子に含まれていますが、唐辛子の種類もたくさんあります。
種類や品種によって、含まれているカプサイシンの量が違い、辛さも違ってきます。
日本で一般的に使われているのは、鷹の爪ですが、1本およそ1gの鷹の爪には、1mgのカプサイシンが含まれています。その他には、ハラペーニョ、ジョロキア、ハバネロなどが有名です。
カプサイシンを摂取する際の注意点
カプサイシンは、食べると辛味を感じます。辛いのが苦手な人は、不快な気持ちになる場合もあるでしょう。
これは、人間の舌にある感覚神経を唐辛子などに含まれているカプサイシンが刺激することによって起こる現象です。辛いものが好きな人と、そうではない人とでは、辛さの感じ方が違うように感じると思いますが、これは、感受性の強弱によって決まっていると言われています。
感受性が強い人は辛味を強く感じすぎるため、刺激が強いと感じておいしいと思わないという傾向があります。
また、カプサイシンを大量に摂取する場合は注意が必要で、少量であれば、食欲が増進される作用があり、唾液を出しやすくするために、胃や食道、口を刺激する程度ですが、摂取量が増えると、粘膜を傷つけてしまう可能性があります。
粘膜が傷つくと、息切れが起こったり咳が出やすくなったり、胃腸が荒れたりという症状が出る可能性があります。
食べるまで、辛さが想像できないため、苦手な方は、少しずつ食べるなどする工夫が必要です。
その他、味覚障害になる可能性も否定はできないという研究結果も報告されています。これは、辛さを感じるというのが、ただの味覚ではなく痛覚であるという認識からきているもので、苦味や酸味、旨味、塩味、甘みといった味覚に、辛味というのは味覚とは呼ばないからです。
脳は、辛いものを食べると人間の体を守るために、エンドルフィンという物質を作り出して、辛味を感じなくするように働きかけますが、エンドルフィンが分泌されすぎると、味覚が麻痺してしまうことがあるといわれています。